
「映像業界って稼げるの?」
転職を考える人なら一度は気になるテーマ。データをもとに、職種・ポジション別の年収相場と、年収アップの鍵となるキャリアの考え方を整理します。
こんにちは、Vookキャリアのキャリアアドバイザー・運天です。
元テレビ業界のAD、その後人事を経て、現在はクリエイターのキャリア支援をしています。現場も採用側も経験したからこそ見えるリアルを、このコラムでお届けします。
「映像業界って稼げるの?」転職を考えている人なら一度は気になりますよね。結論から言うと、「職種・ポジション・会社次第で、かなり差がある」が正直なところです。そして、その「差」がどこから来るのかを知っておくことが、キャリアを考えるうえでとても重要です。
厚生労働省が運営する職業情報サイト「job tag」によると、映像編集者の全国平均年収は583.3万円(令和7年賃金構造基本統計調査)。日本の給与所得者全体の平均が478万円なので、数字だけ見ると「高い業界」に映ります。
ただ、この数字には注意が必要です。これは正社員・フリーランス・ベテランを含むすべての年齢層の平均。「自分が入ったときにもらえる金額」とはかなり乖離があります。
job tagの「年齢別の年収」データを見ると、年収カーブの形がよく分かります。20代のうちは右肩上がりに伸びていき、30代前半で一度大きく上昇。その後はゆるやかに推移しながら、50代後半でピーク(約694万円)を迎え、60代に入ると下降していきます。
20代後半(25〜29歳)の年収は450万円前後。新卒入社直後はもっと低い水準からスタートすることも多く、「映像編集」という職種だけで見ると、経験を積んでも年収が伸び悩むケースは少なくありません。技術を磨けば磨くほど評価されるのは確かですが、技術職のままではある程度のところで天井を感じやすいというのが、現場感覚でもある事実です。
経験年数別に見ると、ポジションごとの実態はこのくらいのイメージです。
| ポジション | 年収の目安 |
|---|---|
| 新人・アシスタント(未経験〜2年) | 300〜350万円 |
| 映像編集・技術職(経験3〜10年) | 350〜450万円 |
| ディレクター | 400〜600万円 |
| プロデューサー | 600万円〜 |
現場感覚から言うと、ディレクターは「何を作るか」を決める立場、プロデューサーは「誰と・いくらで・どう届けるか」まで担う立場。責任の範囲が広がるぶん、年収の天井も大きく上がります。
もちろん、技術スペシャリストとして高い専門性で単価を上げていく道もあります。ただ、そのどちらの道を選ぶにしても、「今の自分がどのルートにいるか」を意識してキャリアを組み立てることが大切です。
映像クリエイターのキャリアでは、制作会社で多様な案件に携わる働き方が一般的ですが、近年ではインハウス映像クリエイターという選択肢も広がっています。
| 制作会社 | インハウス |
|---|---|
| 広告映像や企業案件など幅広い制作経験を積める一方で、案件状況や納期によって働き方が変動することもあります。 | 自社サービスやブランドの映像制作に継続的に関わることが特徴。正社員として、土日祝休み・年間休日120日以上など安定した働き方を実現できる求人も多くあります。 |
これまで培ってきた映像制作スキルを活かしながら、年収600万円以上を目指せるポジションもあり、「映像制作を続けながら、収入や生活の安定も大切にしたい」という方には魅力的なキャリアの一つです。
制作会社で経験を広げるのか、インハウスで事業に深く関わるのか。自分が目指す働き方に合わせて、キャリアの選択肢を考えてみることをおすすめします。
job tagのデータによると、映像編集者の就業形態は正社員61.2%、フリーランス55.1%(複数回答)と、フリーランスの比率が高い職種でもあります。
フリーランスは収入の上限がない反面、独立直後は単価が低く不安定になりがち。一方で正社員は安定しているものの、昇給ペースはゆるやかです。まず正社員で経験を積み、その後独立するルートが年収アップに繋がりやすいと言われています。ただし、フリーランスで稼げている人の多くは「技術」だけでなく「営業力・人脈・交渉力」を持っているという点も忘れないでほしいところです。
また、逆に「フリーランスから正社員への転職」を希望する場合、年収(売上)の数字をそのままスライドさせるのは難しいという現実があります。
正社員を雇用する際、企業は本人に支払う額面給与だけでなく、社会保険料の会社負担分や各種福利厚生費、機材費などを含め、実質的に「額面給与の約1.3〜1.5倍」の総人件費を負担しています。
フリーランス時代に全額自己負担だった社会保険料や経費を会社が代わりに支払ってくれるという仕組みを踏まえると、正社員としての適正な額面年収は「フリーランス時代の売上の約7割〜8割」が現実的な目安となります。
フリーランスから正社員への転向は、額面の数字だけで損得を判断せず、構造の違いを理解してトータルの実質収入で考えることが大切です。
「薄給」とは言い切れません。職種・ポジション・働き方によって年収は300万円台から700万円近くまで大きく開きがあります。特にディレクター・プロデューサーへとポジションが上がるほど、年収レンジは大きく上がります。
未経験からの転職と比べれば現実的なルートです。実際にVookキャリアでも、編集・制作進行の経験を活かしてディレクターへステップアップした事例があります。今の経験をどう言語化するかが鍵になります。
「映像業界=薄給」ではないけれど、「映像業界=高収入」でもない。職種・ポジション・会社・働き方によって、年収は300万円から700万円近くまで大きく開きがある業界というのが正直なところです。「自分の今のスキルで、どのくらいの年収が狙えるんだろう?」「今の職場、このままでいいのか?」と感じている方は、ぜひ一度キャリアを整理してみてください。
「自分の今のスキルで、どのくらいの年収が狙えるんだろう?」と気になった方は、一度キャリア相談を試してみてください。映像業界専門のアドバイザーが、あなたの市場価値と次の一手を一緒に整理します。相談は無料です。
▼相談申し込みはこちらから
※参考:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」映像編集者
(年収・年齢データ:令和7年賃金構造基本統計調査/求人賃金・就業形態:令和6年度)