「希望年収」はどう伝える?映像業界の転職で失敗しないためのリアルな交渉術|Vookキャリア通信

「希望年収」はどう伝える?映像業界の転職で失敗しないためのリアルな交渉術|Vookキャリア通信

(最終更新日: 2026.07.21)

「転職すれば年収は上がるはず」――その思い込みが、不採用の原因になっているかも…映像業界の転職で失敗しない希望年収の決め方と伝え方を伝授します!


こんにちは!
Vookキャリア キャリアアドバイザーの近藤です。

以前のコラムでは、弊社キャリアアドバイザーの運天から「映像業界のポジション別・働き方別の年収相場」についてお話しさせていただきました。

📎 転職する前に知っておきたい映像業界の年収事情

相場観が見えてくると、次に気になってくるのが「実際の転職活動で、希望年収をどう伝えたらいいのか?」という実務的な疑問ではないでしょうか。

転職するなら少しでも年収を上げたいと思うのは、ごく自然なことです。
しかし、映像業界の転職においては、「額面の数字」や「求人票の書き方」を誤解したまま希望年収を伝えてしまい、選考でお見送りになってしまうケースが少なくありません。

今回は、採用担当者が希望年収をどう見ているのかというシビアな本音と、失敗しないための希望年収の立て方

1. 求人票の「想定年収〇〇万〜」の罠

求人票を見ていると、例えば「想定年収:500万円〜800万円」のように魅力的な数字が並んでいますよね。

これを見ると、「よし、受かれば最低でも500万円はもらえるんだな!」と思ってしまいがちですが、実は中途採用において最も誤解しやすいポイントです。(もちろん、企業も騙そうとしているわけではありません!)

前提として、求人票に書かれている給与は、あくまで募集時点での「目安」の金額です。

実は、求人票に記載されている想定年収は、そのポジションで「求めているレベルに達している人を採用する場合の基準」として設定されていることがほとんどです。

例えば、現在年収300万円の方が、想定年収500万円〜の求人に応募する場合。300万円のレンジと500万円のレンジでは、企業側がそのポジションに求めている「役割の重さ」や「期待される成果のレベル」がそもそも大きく異なります。

つまり、お給料が高く設定されている求人ほど、それだけ大きな責任や、入社直後から高い成果を出し続けることが期待されているということです。

そのため、現在の自分のスキル感と、企業がその金額に対して求めている基準に少しギャップがある状態で応募すると、仮に内定が出たとしても「まずは前職ベースを考慮して、330万〜350万円からスタートし、成果を見て上げていきましょう」と提示されるケースがほとんどです。


「求人票の最低額を下回る提示をされるなんて、違法じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は原則として違法にはなりません。最終的なお給料などの労働条件は、面接での評価を経て、お互いが合意して結ぶ「労働契約(内定時の条件通知)」のタイミングで正式に決まるからです。

求人票に書いてある最低金額が、内定の時に自動的に提示されるわけではないというリアルを知っておくことが大切です。

2. 高すぎる希望年収は「選考お見送り」の原因になる

とはいえ、「やっぱり少しでも年収を上げたい!」と思うのが本音ですよね。

そこでやってしまいがちなのが、自分の「理想の金額」を特に根拠もなくそのまま伝えてしまったり、求人票にある年収事例を鵜呑みにして、面接で「希望年収は450万円です!」と言ってしまうことです。

実は、これが選考において一番危険なパターンです。

企業は、希望給与の妥当性をとてもシビアに見ています。
しっかりとしたスキルや実績の裏付け(根拠)がないまま、今の年収とかけ離れた高い希望額を提示されると、条件面の交渉に入る前に、「うちが提示する金額に見合うだけの活躍を、すぐにしてくれるイメージが湧かないな……」と判断され、選考自体がお見送りになってしまうケースが非常に多いのです。

また、これとは逆のパターンもあります。
例えば、企業の想定年収レンジが「500万〜600万円」の求人に対して、自分の現年収が900万円だからといってそのまま「900万円希望です!」と伝えてしまうケースです。

いくらあなたに素晴らしい実績があっても、企業側の予算を大幅に超えている場合、企業としては「どうしてもその金額は出せないから、今回はご縁がなかったということで……」と、選考の初期段階でお断りせざるを得なくなってしまいます。

このように、希望年収は自分の理想だけで言っても、上手くいかないことが多いのです。大切なのは、「自分のリアルな実力」「前職の給与」、そして「応募先企業の予算と、求めている役割の重さ」のバランスを冷静に見極めること。ここがずれてしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまうことになりかねません。

3. 「労働時間や経験」も含めて総合的に天秤にかける

「転職しても年収が大きく上がらないなら意味がないのでは?」と思うかもしれません。

ですが、映像業界での転職は、お給料の額面という「1つの軸」だけで判断するともったいないケースがあります。

例えば、以下のような2つの選択肢を天秤にかけるイメージです。

◆ 選択肢A:年収 450万円(毎日深夜まで稼働、休日出勤ありだが、誰もが知る最高峰のクリエイティブに深く関われる環境)

◆ 選択肢B:年収 450万円(土日祝休み、残業ほぼなし。自社ブランドの映像制作など、安定した環境で自分のペースで働ける環境)

額面はどちらも同じ「450万円」です。
ですが、選択肢Bは働く時間が短い分、時給に換算すれば実質的にお給料が大幅にアップしたのと同じ状態(=時間と健康の獲得)になります。

一方で、選択肢Aは時間は拘束されますが、他では得られない「実績、強力なポートフォリオ、圧倒的なスキルアップ」という大きな価値を手に入れています。

どちらが正解ということはありません。

その転職で、『新しい実績やスキル』を優先するのか。それとも『プライベートの時間や健康』を優先するのか。

お給料の数字だけでなく、「得られる時間や経験」も含めたトータルの価値で自分のキャリアを天秤にかけることが、映像業界で後悔しないためのとても大切な視点です。

4. 失敗を避ける「2つの希望年収」を用意しよう

では、面接で希望年収を聞かれたらどう答えるのが正解でしょうか?
おすすめなのは、「理想のライン」と「現実的なデッドライン」の2つを自分の中で整理しておくことです。

一般的に、一度の転職で無理なく実現できる年収アップは、これまでの実績ベースでのスライド転職であっても「今の年収の10%〜15%アップ」が標準的な相場とされています。

これを踏まえて、以下のように希望額を2つの段階に整理してみましょう。

① 理想のライン(希望年収):

今の年収の15%〜20%アップ程度
これまでの経験やスキルを企業側に100%評価してもらえた場合の、少し高めの目標額です。これ以上の無理な高額を追ってしまうと、一気に合格ハードルが上がってしまいます。

② 最低希望ライン(デッドライン):

今の年収スライド(同等)〜10%アップ程度 「労働環境が改善される」「やりたい仕事ができる」など、年収以外の条件に魅力を感じる場合、「ここを超えていれば入社を前向きに検討できる」という、自分が納得できる最低限のラインです。

面接の場では、「① 理想のライン」を希望として伝えつつも、「② 最低希望ライン」というデッドラインをあらかじめ自分の中で決めておきましょう。この2段構えの認識を持っておくことで、いざ企業から条件提示があった際にも慌てずに済みますし、条件面のズレで選考が途中でお見送りになってしまうリスクをぐっと減らすことができます。

5. 未経験からの「職種・業界チェンジ」はさらに基準が変わる

さらに、もう一つ知っておいていただきたいのが、未経験での転職(異業種から映像業界へ、あるいは業界内での未経験職種へのチェンジ)では、今の年収を一度リセットして考える必要があるという現実です。

例えば、他業界でバリバリ活躍して年収500万円をもらっていた方であっても、映像業界未経験で「制作進行(PM)」や「アシスタントエディター」として挑戦する場合、前職の年収をキープしての転職は難しく、年収300万〜350万円程度からのスタートになることがほとんどです。

これは、企業側からすれば「一から仕事を教える育成期間」になるためです。
映像業界内で「プロダクションマネージャーから編集エディターへ」といった職種チェンジを目指す場合も同様で、一時的な年収ダウンや横ばいはごく自然なことです。

未経験での転職活動において、現在の給料に強くこだわりすぎてしまうと、応募できる企業がなくなってしまい、せっかくのキャリアチェンジのチャンス自体を逃してしまいます。

未経験職種へチェンジする場合は、先ほどの「最低希望ライン」を「現在の年収を下回る(あるいは現年収の維持)」に設定することも視野に入れておきましょう。

まずは「スキルや実績を身につけるための期間」と割り切り、入社後に仕事の幅を広げながら年収を上げていく意識を持つのが、未経験転職を成功させるコツです。

「エージェントの交渉」と「あなたのアピール」を掛け合わせよう

もちろん、私たちVookキャリアも、あなたの強みを企業に最大限伝えて、1円でも高く提示してもらえるよう全力で交渉します。

それと合わせて、ご自身でも、面接で希望年収を聞かれた際には「自分の持つ〇〇という編集スキルや、これまでの〇〇の経験を貴社でこのように活かして貢献できるため、こちらの金額を希望しております」というように、しっかり理由を語れるように準備をしておきましょう。

エージェントによる条件交渉と、ご本人による面接での説得力あるアピールが噛み合って初めて、一番納得のいく形での「年収アップ」が実現します。

ADVISOR'S NOTE

映像業界の転職では、単に「年収を上げたい」と伝えるだけでは、企業側に敬遠されてしまうリスクがあります。今の自分のスキル、前職の労働環境、柔軟な働き方、そして求人企業の求めるレベルを冷静に見比べながら、現実的な「着地点」を作ることが内定獲得への一番の近道です。

「自分のこれまでの実績だと、どんな選択肢があるんだろう?」
「面接で角を立てずに希望年収を伝える言い方を知りたい」

そう思ったら、ぜひ一度Vookキャリアにご相談ください。
映像業界のリアルな相場をよく知るアドバイザーが、あなたが一番納得できるキャリアの描き方を一緒に整理します!

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